比企広域市町村圏組合議会臨時会開催


10年分の議事録全て読み込んで広域議会に臨む




比企広域市町村圏組合議会臨時会が開催された。東松山からは、大山議長、根岸議員、関口議員、私の4名が選出。大山議長が組合議会の議長に慣例により選出された。新人の挨拶の後、議案審議。議案は職員の給与減額に関する特例措置にかかわる条例について審議。

 市民の方は、このような会議が開催されていることをご存じない方も多いと思われる。この議会は、東秩父を含み、鳩山町を除く比企郡の市長村長、議員が集まり、比企広域にかかわる議題について話し合う会議である。

主な議題として、消防、葬祭場の運営、介護保険などが議論されている。非常に重要な会議であるが、ほとんど市民には知られていない。

委員会もあるが委員会に付託されることはない。発言する議員も極端に少ない。共産党の議員が特に頑張っているぐらいだ。議案に対する質疑があり、その後、一般質問があり、会期は一日で終わる。議案が否決されたことは過去にない。

そんな組合議会にちょっとしたさざ波か゛。今回、提案された議案について、今日一日では議決できないということで、委員会に付託され継続審議となった。委員会に付託されたことは、おそらくこれまで一度もなかったであろう。継続審議ということも聞いたことはない。

新聞は、こういう歴史上、一度もないことが起きているにも関わらず全く取材に来ない。

今回、継続審議にした理由は、提案の仕方が安易だということだ。組合職員の給与削減は東松山市の職員の削減に従って、それに則って削減するというものであった。また、組合職員の中には、比企消防の職員も含まれているが、その職員についても同様に削減して良いのか、そんな話になった。

東松山議会でも、市職員の給与が削減されることになった。それに伴って議員の給与も削減した。

これは、国からの指示であり地方交付税を減額するというものである。国家公務員の給与は人事院勧告により、減額措置がなされる。地方公務員もそれに従って、減額されることが通常となっている。しかし、それで良いのか、私はいつも疑問に思い、これまでも反対を通してきた。

ただ世論としては、公務員の給与の削減、議員報酬の削減、議員定数の削減については、大方の国民は賛成であろう。この世論は無視できない。したがって、この議案に反対することは難しい。

また、国会議員の政策にも、国民受けする、このテーマを盛り込むことは、必須である。名古屋市長が議会の定数半減、給料半額を公約に、人気を博したことに端を発し、国政政党も、このようなことを言って人気取りに走った政党もあったが、今は支持率低迷に悩んでいる。

民間では、人件費から削減するのは当たり前であり、その結果、リストラされ、また非正規社員が増え、格差社会が問題となった。それに対して、あまりにも公務員の給与が高く、安定しているということが、国民の目から、批判の対象となった。

私も、市長選挙の際には、自己の給与の20パーセントの削減を公約とした。中には半分にすると言っていた候補もいた。

私は、給与削減競争に乗ったわけではなく、新人の市長は、試運転期間もあるということで、一期目は20パーセント削減ぐらいで良いのではないかということで公約とした。2期目、3期目は定額で良いと思う。

職員の給与の削減については、削減すること自体は已むをえないこともあると思う。しかし、国の一方的なやり方により、国の借金のつけを回されるという形で、押しつけられることについては、賛成できない。

国の借金は1000兆円を超えている。これについては、正確な額は誰も知らない。なぜかというと、どこまでを借金に含めて考えれば良いか、実ははっきりしない。国の機関をどこまで、国の機関とするのか。借金も、政府短期保証も借金に含めるべきなのか、あまりにも漠然としていて、おそらく誰も、この国の本当の借金については、わからないのではないか。

一番問題なのは、1000兆円を超える借金は、景気が良くなればなるほど増える可能性があるということである。国民がそのほとんど持っているということは、関係がない。

景気が良くなると税収入も増えるが、金利も上がるため、国は国債の返済を借金をして返している、いわば自転車操業をしているため、返す国債金利よりも、景気が良くなると借りる国債金利が高くなるため、結局、借金は減らない。これが、今の日本だ。

このことは、大学院に通っているとき、自民党河野太郎議員も言っていた。それに対して、民主党細野豪志議員は、会社を経営すればわかるが、ある程度の借金は問題ないと言っていたので、私は、大問題でしょ、と反論した。ちょっと民主党の甘い認識がうかがえた。

このような状況の下、国も地方も公務員の給与の削減に取り組まなければならない、それはわかる。しかしながら国、地方、企業、家計の収支をみると、地方は合併による議員の削減、企業はリストラ、家計は切り詰めにより、経常収支赤字は国だけである。

国の事業の契約は、そのほとんどが随意契約だという。東松山市では入札制度の改革により、1000万円以上は制限付き一般競争入札に変えている。その効果は落札率にして10パーセント、当時の額にして10億円以上の入札差益金が生じた。

これは私が徹底して一般質問を繰り返し、平成20年度に行われた。落札率が高止まりしているという私の主張に対して、執行部は高止まりはないと言い張った。マスコミに取り上げられ、警察が踏み込み、ダンボール100箱くらい持ちだされた。その結果、二人の逮捕者が出、100人近い職員がペナルティーを受けた。非常に後味が悪かった。しかし、あの事がなかったら未だに談合が大手を振って行われ、市民は10パーセント高い公共工事、公共サービスを提供され続けていたであろう。

私は、市職員の給料を削減する時、いつも、このことを思い出す。東松山市は、どこよりも先に血を流した。そのことを誇りに思っていただきたい。逮捕者は出したが、他の市では未だ談合が行われているところが多いのではないか。

東松山市でも全くないとは言えないが、当時に比べて相当減っていることは間違いない。

全然関係ないようではあるが、国もまず、そこから手をつけろ。また、地方分権推進法が成立しているわけだから、地方に国の政策の失敗のつけを払わせるな。また、たまには地方も国にノーと言ってみろ。そう思い、いつも、この手の条例については反対している。

今回、比企広域圏組合議会で、そのような議員が多くいたことは、革新的なことであろう。これまで職員の給料削減については共産党の議員さん以外は反対した議員はいない。継続審査の後、どうなるかはわからないが、そろそろ国の押し付けについては、たまにはみんなでノーと言おう。