市民病院に関する数字

市民病院について、具体的な数字を見てみると、一番大きいのは、診療材料費の減である。平成18年は14億9257万円。平成19年度は12億554万円。20年度、9億9739万円。21年度は10億8209万円。22年度、10億9817万円。そして院外処方をした平成24年度は約4億円と、大きく削減された。

人件費についても、平成19年度は19億4847万円。それが平成24年度は11億円となっている。

補助金・負担金・単年度欠損金の合計額も約10億だったものが、5億円になった。

これまで本当に経営的にみると、本当にひどい状況であった。一体誰が経営の責任者なのか。市長に、その責任があるのは間違いないはずであるが、あまり具体的な動きは見られなかった。病院長も、委員会で『医術と算術は異なる。私は経営の素人だから』と居直っていた。

部長も、口をそろえて『市民病院はまだ来たばかりだから』と言って、2年で定年退職でいなくなってしまう。

議会もデリケートな問題であるのと、専門的な経営の話であること、独特な医師の世界であるせいか、あまり質問は見られなかった。

多額の税金をつぎ込みながら、その本質に踏み込めない。全国的な医師不足、全国の公立病院のほとんどが赤字、そんな執行部のマジックワードに反論できない様子であった。

私は、こと細かく一般質問、委員会、決算特別委員会で質問を繰り返し、過去5年間の数字を全て出させた。

しかし、実行するのは執行部である。提案しても実行しなければ何もならない。坂本市長の時に、提案したものが森田市長に代わって、一挙に変わった。これは市長の手腕に尽きる。

森田市長は、まず私が前々から見て、一番優秀な職員を市民病院に送っている。その職員に任せ、しっかり報告を受けている。また部長職も財政に詳しい部長を送りこんでいる。前は、残念ながら市民病院はおろか、財政経営に疎そうな人をわさど選んでいたとしか思えない。

そして部長より詳しい幹部職員が実権を握っていたとしか思えない。その職員は市民病院に精通していた。しかし、改革意欲は全くなかった。

オーダリングシステム・電子カルテの導入について、私は坂本市長の時から提案し、オーダリングシステムについては導入する運びになった。当然、電子カルテとオーダリングシステムは同時に導入されるものと思っていた。

しかし、電子カルテは導入されなかった。その理由は、その職員曰く『高齢の先生方が多いから、パソコンができない』ということだ。私は委員会で『先生を馬鹿にするな』と言ってやった。音声入力システムだってある。

森田市長に代わって、電子カルテも前倒しで導入することになった。オーダリングシステムも電子カルテと一緒になって初めて、効果を発揮する。さらに会計システムも連動させれば医事会計システムも簡素化できる。

医事会計業務は派遣会社に委託しているが、その経費も浮くはずだ。この委託費が売上が減っているにも関わらず、派遣職員も額も増やされていた。今は、会社も変わったが、怪しいことばかりだった。

また、森田市長は日大病院、埼玉医大を中心に何度も医師派遣に積極的に動いている。その結果か、7割の医師が変わったにも関わらず、現状維持プラス1名くらいで、医師数は安定している。

医師不足医師不足と言っていたが、努力次第で医師はきてくれる。やはり市長の熱意、医療に対する理解で先生方の心も動く。森田市長は積極的に医師招聘に動いている。その結果だと思う。

われわれ議員は、市長に提案したり、経営のチェックはできるし、それすらできないのであれば、議員の役割を果たしていない。しかし、医師の招聘は、これは市長が頑張るほかはない。

そして、その先生方が長くいていただくためには事務職が職場環境を整え、病院長がマネジメントをしっかりする。僻地だって先生はきてくれる。何よりも市長のやる気と熱意と、意気込みが市民病院を救う。

私は、市長選挙で森田市長と戦ったが、この一点をもって全面的に市長を応援している。とは言ってもたまに議案に反対することもあるが。