視察報告


7月18日から20日まで北海道苫小牧市白老町伊達市と視察に行った。苫小牧市のテーマは街中再生総合プログラムについて、白老町は高齢者見守り・生活支援システムについて、伊達市は次世代エネルギーパークについて視察を行った。
 
白老町   高齢者見守り・生活支援システム

視察動機
 東松山市も本格的な少子高齢化社会を迎えるにあたり、一人暮らしの高齢者が増加していくことが予想される。これまでも一人暮らしのお年寄りの見守り事業は行っていた。配食サービスを届ける際に、高齢者の安否を確認するものだが、そのコストの高さが問題となった。また、配食サービスだけに限定した安否確認では、到底安否確認を必要とする方全てをフォローすることはできない。それに代わり地域ボランティアと高齢者を結びつける事業が行われている。この事業は埼玉県の事業だが、今年度から東松山市でも実施されている。様々な問題点もあろうが、高齢者支援システムとして更なる発展が期待できる。そこで、先進地である白老町の生活支援システムを参考に、市のシステムを発展できればと思い視察地として選定した。


概要
高齢者に操作性を向上させた携帯電話(らくらくホン)を貸与し、高齢者の安否確認や買い物などの生活支援の仕組みを構築する。併せて地域の支援ボランティアへの相談や、119番通報が簡単にできる緊急通報機能を完備、万が一に備えている。
 携帯電話は70歳以上の高齢者または高齢者夫婦世帯に貸与。操作は簡単。予約、相談、緊急の三つのボタンを必要な時に押すだけで、買い物の支援もしてもらえる。また携帯電話には歩数計データー機能も付いており、そのデーターを自動的に毎日、地域包括支援センターに転送。異常があればすぐにわかるようになっている。


背景
白老町の高齢化率は平成22年度には33%となっており、町民の3人に1人が65歳以上の高齢者となっている。5年後には推計で40%を超えることが予想される。このような高齢化に加え、一人暮らしの在宅高齢者も1993人に達し、高齢者の6人に1人が介護や支援が必要な高齢者となっており、地域で高齢者支援するシステムが必要になってきた。
 そこで社会福祉協議会自治会が協力して声かけ、見守り、お手伝いなどの地域ネットワークづくりが以前から行われてきたが、更なる高齢化の進捗により、システムを発展させる必要性が生じてきた。このため総務省ユビキタス構想推進事業・地域ICT利活用推進交付金を活用し、携帯電話を利用活用した、地域見守り・生活支援モデル事業を構築した。

経費
導入時経費 69,500,000円(地域ICT利活用推進交付金)
 内訳  
機器類(電話交換機、ポータルメディアサーバー、メールサーバー)11,000,00円、携帯電話端末(端末70台、アダプター、手数料)3,400,000円
設置費用(現地調査費用) 2,100,000円
プログラム開発費用(ソフト等含む)52,300,000円
事務経費(検討協議会、視察費) 700,000円

ランニングコスト 2,680,000円
 内訳
人件費(高齢者生活支援員)1.820,000円
礼金(宅配等の生活支援協力謝礼)120,000円
通信費(システム電話料、事務用携帯通信料)240,000円
保守点検500,000円

この中で、仮に東松山市で導入する場合、システム開発費やソフトの費用等はかからない。この事業は国の事業であり、高齢化社会に向け必要な事業を実験的にモデル事業として行っているものであり、普及を目的にしているものだからだ。携帯端末についても、個人所有している人がほとんどであり特に必要はないと思われる。
大変、参考になった。東松山市に導入する場合、様々な問題点があると思うが、全て一緒である必要もなく、既存のシステムうまくマッチングさせることで、よりよいシステムになると思われる。特に歩けの町なので、毎日の歩行データーが自動的にセンターに送られ見守りが行われるシステムはおもしろい。本格的な高齢化社会に向けて、対策
が必要だ。