8日、9日、 10日と、経済建設常任委員会で視察。

クリーンセンターの3D。内容的には?
クリーンセンターの中央制御室。火力発電所のようだ。
旅館の裏は海。ロケーションは最高でした。
 8日、9日、10日と視察に行った。視察は、会派で行く視察と、行政視察の二つに大きく分かれる。今回は、経済建設委員会の行政視察である。年一度、行く。

 今回は、京都に行った。一日目は、北部クリーンセンターを視察。最新型ということで、素晴らしい施設であった。写真はセンター内にある3Dによる環境学習用のスクリーンである。小学生の環境学習をここで行うらしい。

 内容的には3Rについてのものである。低学年向けのものだと思われる。さすがに大人が見るのはちょっときつかった。3Dでアニメキャラクターが登場するが、いくら費用がかかっているのか、考えてしまった。しかし、小学生には良い教材なのかもしれない。

 太陽光パネル、火力により電気を作っており、年間1億円売電しているということだ。また、隣接している温水プールにも電気を供給している。

 総建設費用320億円。国が1/2出している。京都市の人口が150万人で、その約1/4の処理人口だとのことだ。ということは、40万人程度の都市で、この規模が必要ということになる。

 直営で管理運営されており、清掃等以外は市で行っているとのこと。東松山市はほとんど民間委託である。委託管理費は嵩むが、市の職員で管理運営するよりは安くできる。議論のあるところである。

 毎年、競争入札により委託契約が行われれば、スパイラル的に経費は安くなり続ける。しかし、実際には、そうはならない。

 たいてい、毎年、同じ値段で落札される。競争原理が働けば、そのようなことはありえない。しかし、毎年毎年、たたきあいがなされたり、一年で毎回業者が変わるのも、考えものだ。非常に悩ましいところである。

 入札制度については研究し、質問し続けてきたが、委託管理契約については特に難しい問題を孕む。まさに改革半ばである。5年の複数年契約で、完全一般競争入札が一番良いと思う。一般競争入札をこの分野で外すことはまずいと思う。一番、一般競争入札に馴染む分野だと思う。

 まさに全国的に優秀な業者に委託するメリットは大きい。しかし、毎年、それをやっては、業者も大変だ。5年間が妥当ではないか。7年でも良いと思う。問題なのは、毎年、実態が随意契約なのに競争入札の形式をとり、毎年、毎年、同じ業者が、同じ値段で落札したふりをすることである。

 だいたい、どこの市、県、全国的に、そのような形式競争入札、実態随意契約がどこでも行われている。これは、民主党政権で是非、メスを入れていただきたい。それだけで、予算の3割は浮くと思う。

 東松山市のやり方を手本にしてもらいたい。

 入札の話になってしまったが、クリーンセンターの話に戻る。東松山市のクリーンセンターについても、建替えが必要になる日がくる。320億円とは言わないが、200億円とか、そのような値段にはなるだろう。将来、税収が減り、人口が減り、おそらくゴミ量も減ると思うが、そのような多額の費用を東松山市単独では負担できない。そのときは、近隣市町村と共同でクリーンセンターを経営しなければならないと思う。その時は、温水プールも隣接地に造るのも良いかもしれない。どちらにしろ、単独では無理であろう。

 言うまでもなく、クリーンセンターはNIMBY施設である。Not In My Back Yard。必要だが、自分の庭うらにあると嫌な迷惑施設である。その設置には、地元の理解が必要であり、常に情報公開をしなければならない。

 北部クリーンセンターも地元との話し合いを常にしているとのことだった。自治会長100人ほど集め、経営報告をし、意見交換するということだ。地元への配慮が必要だ。

 一日目は、台風の影響で山手線は止まるし、大変だった。どうにか目的地についたが時間どおりに到着せず、視察の時間が少なくなったのが残念だ。ただ、首都圏の交通麻痺状況を考えると、行けただけでも良かったのかもしれない。乗る電車、乗る電車が止まり、最後はタクシーで東京駅に向かった。タクシーもなかなか捕まらず、やっと捕まえたタクシーの運転手さんが、何年か前まで高坂に住んでいたというから、びっくりした。

 二日目、午前中は宇治田原町に企業誘致について視察。午後は移動し、久美浜で総合販売施設の視察をした。宇治田原町は参考になった。人口1OOOO人程度の町である。宇治茶で有名な場所らしい。事務局で出されたお茶はとてもおいしかった。お土産は、これで決まり。

 私は、一人で視察に行くときは、小さな町でがんばっている町に良く行った。小さな町でできるのなら、東松山市でもできるはずだからだ。広島県御調町茨城県の旧太陽村、有名どころでは矢祭町、近場では旧玉川村都幾川村。どこも小さいけれど工夫をし、成果を挙げている町や村だ。そこの事業を参考に政策を考え提案する。一般質問で政策提案しても執行部は検討するだけで実現しないので、どうしても不正追求型の質問になる。執行部も考えた方が良い。野党や、共産党の提案も呑めば、追及型の質問より、提案型の質問が多くなる。自民党社会党の要求を呑んでいた。だから政権交代が起こらなかったのだ。余談だが。

 宇治田原町もすごい。企業誘致で大成功していた。名古屋にも近い、京都市街、大阪にも出られるというが、東松山は東京に関越道で30分だ。大消費者圏のど真ん中にある。これは努力と工夫次第でどうにでもできる。

 宇治田原町の担当職員は一人だそうだ。なぜ、できたのか。京都府との連携である。府と連携して、積極的に京都府に働きかけ、共同で企業を誘致している。決して、地の利だけではない。東松山から見ても、めちゃくちゃ田舎だ。東松山の企業誘致には戦略がまったくない。その場、その場で業者に言いくるめられているとしか思われない。

 隣の川島町の企業誘致と対照的だ。川島はインターの近くに集中して、巨額の投資をしている。その成果は十分出ていると思う。東松山は本当に戦略がない。ふって出たと思ったら、消えてなくなる。駅前開発もそうだ。計画なく、分散しすぎている。駅前、高坂の区画整理、そして葛袋の企業誘致。ちょっと、方向性が見えない。同時にやるほどの人材、投資経費は持ち合わせていないはずである。
 
 さらに無目的の土地取得はあまりにもひどすぎる。塩漬けの土地をどう処分するのか議論されているときに、また交換したり、買ってしまう。ちょっと、おかしい。あまりにも、怪しげなことばかりだ。疑わしいことばかりだ。

 視察の話に戻る。宿泊先は素晴らしいロケーションであった。事務局職員と委員長のお骨折で素晴らしい視察ができた。視察については、議論があるところだが、行政視察についてはまだなくならないと思う。だとすれば、視察したことを少しでも市政に生かすように努力しなければならない。

 ちなみに、この他にも海外視察や様々な視察がある。私も今年、オランダナイメーヘンに行く権利があったが、キャンセルさせていただいた。今の経済状況と新型インフルエンザが理由だ。市民のために見てくるのも選択肢だとは思うが、今回はキャンセルさせていただいた。

 年間120万円の年収の方からも税金はいただいている。それを分配するのが行政の役割だ。そのような方から税金をとって、事業が行われる。そのバランスを考えなければならないと思う。その事業(視察)が、そのような人からいただいた税金で果たしてすべきことなのか、常に考えるべきであろう。また大きな事業については、将来の子どもたちに付けがまわる。彼らから借金をしてまでする事業なのか。

 議会で韓国に視察に行くが、そのような観点は忘れないでいただきたいと思う。