久々に大学院に行く。

 久々に大学院に行ってきた。この春から大学院に通っている。中央大学の公共政策研究科というところである。公務員、議員の養成を主目的としている。教授陣は中央大学の各学部の教授陣が担当するほか、国会議員、国家公務員の先生と多彩だ。自民党小池百合子氏、山本一太氏、民主党鈴木寛氏等、党派を超え、幅広い講師陣がそろっている。

 前期、後期制に分かれており、後期の授業が今日から開始された。同時に前期の成績発表があった。前期で20科目40単位を取得した。あと修士論文さえ通れば一年終了可能だ。

 論文のテーマは『東松山市の統合マネジメントシステムは行政改革につながるか。』とうことについて書く予定だ。東松山市ではISO14001と、行政評価システム統合し、事務事業の効率化を図っている。しかしながら、まだ職員に浸透しているとは言いがたい。行政評価もISOも、職員の意識改革の一つのツールであるはずだ。また予算編成に活かされて初めて、その効果があったといえる。

 職員のアンケートによると、まだ、行政評価、ISOを実施する意味がわからないとする職員が多い。このような疑問は、どこの役所でも同じ課題を抱えている。というのは、大学院の授業で、ゲストスピーカーとして、全国の先進地と言われる役所の職員を招聘して、話を聞く。大体、課題はどこも同じである。『行政評価が職員の負担になっている。負担の割りには、その成果が疑わしい』『行政評価をやめて、本来業務に専念した方がよいのでは』『行政評価が予算に生かされない』『職員への浸透度、その意義の理解まで至らない』。そんな課題をどこの職員も言っていた。

 東松山市も同様のアンケート調査が出ている。ただ、職員が知恵を出して工夫している。それが行政評価とISOの統合システムである。両者はPDCAサイクルを基礎としていることから、その共通性ゆえに、統合が試みられたものである。非常に良いことだと思う。

 しかしながら、担当課の職員以外、その有用性に気づいていないようだ。担当課の職員も相当負担に感じているかもしれない。今後の課題としては、いかに職員に浸透させるのか、それにはシンプルで無駄のないシステムにする必要がある。また、予算編成に活かされなければ意味がない。

 残念ながら、予算編成に全く活かされていないのと、職員の意識改革につながっていないことが残念だ。その原因を考えると、統合システムを浸透させる組織になっていないものと思われる。トップダウンで実行できる組織体制が必要である。また、トップの理解と熱意が必要である。ボトムアップではなく、トップダウンによらなければ、ISOは浸透しない。行政評価がどちらかといえばボトムアップであるのに対して、ISOはトップダウンであり、両者の統合は難しい面がある。そこの理解が必要であり、それを踏まえてシステムを生かす組織体制が必要となる。

 このシステムが上手く機能すれば、職員の意識改革、予算編成ともに良いスパイラルが生じる。しかし、反対に悪循環に陥る自治体も少なくない。私は、東松山市のシステムの問題点、改善提案、そして全国的にモデルケースとして展開できるようなシステム、組織体制を論文としてまとめる予定である。