議案の読み込み

昨日、今日は議案の読み込みで悪戦苦闘中。

第3号議案では外国人と登録法の廃止及び住民基本台帳法の一部改正に伴う関係条例の整理に関する条例については、行政書士業務にもかかわることでもあり、特に念入りに下調べ。

平成24年2月1日現在、東松山市外国人登録者数は1621人。改正法適用後に住民基本台帳法が適用になる中長期在留外国人の数は1603人。これだけの方に影響が出る。

これまでの外国人登録制度を廃止して、住民基本台帳に記載されることにより、住民票がとれるようになり、さまざまな日本人と同様のサービスを受けられるようになる。

 昔、憲法を勉強しているときに、外国人とは、外国人の権利は、というのが論点になっていた。

憲法の保障する外国人の範囲と、享有主体性の問題である。条文上、何人も、とある条文は当然、外国人も享有主体となりうる。しかし、それ以外は権利の性質により、享有主体になりうるか否か、個々の権利ごとに見るべき。そんな感じの説が通説だったと思う(文言区別説、性質説)。判例もたくさんあった。

そのころからすると、相当前進したのであろう。判例も積み重なっているであろう。この条例が憲法問題を孕んだ問題であることを認識し、ぜひ、慎重審議をお願いしたい。

第16号議案は、訴えの提起についてであり、市が所有する土地の所有権に基づく妨害排除等を求める訴えを提起するために、議会の議決を求めるとする議案である。

この問題も高度な専門性を有する問題であり、民法を最低限知らないと判断できない。また、民事訴訟法の知識も必要だ。

所有権に基づく妨害排除請求、和解、土地賃貸借契約、不法占拠、損害賠償請求、これだけのことを知らなければ議案ひとつ判断できない。これが市議会レベルでも、そうだ。

これが国会議員となるとどうだろう。大変すぎる。弁護士でも、専門分野以外は知らないこともあるだろう。全てについて、それなりの議論を重ね、妥当な判断をするには、法的な素養、経済的な知識、外交等、あらゆる知識が必要だ。

これを数年で習得するのは不可能だ。長く議員をやっていることに対する批判は良いが、長くやっても全ては理解することは不可能である。まして、一期や二期では、理解しきれない。また、国会の場合、二期連続で当選する議員はそれほどいない。

参議院が6年間じっくり勉強する時間が保証されている。理性の府と言われるのは、そのためである。参議院をなくすという議論には、私は賛成できない。参議院の議員の数を少なくし、ねじれ国会を打開するシステムを考えることが必要なのであり、なくしてしまってどうなのか、と思う。

参議院がミニ衆議院化してしまい、国会中継で寝ている映像が映し出される。国民の意見もわかる。

ただ、巨大な官僚組織を監視するのは、マスコミ、国民、国会議員である。

市議会ですら、議案審査は大変である。それが国会ともなれば、どれだけ大変か。まじめにやれば。

今日も、分厚い予算書に目をとおしている。市民、国民は、このような地味な仕事が本来の議員の仕事であるということを理解していただきたいものだ。