会派で視察。





15,16,17日の三日間 会派で視察に行かせていただいた。長崎市子育て支援事業、佐賀県唐津市の市民協働事業、福岡県大野城市の総合行政評価システムについて視察した。長崎市は全国平均よりも特殊合計出生率が低く、その原因は女性の未婚率が高いとの原因分析だ。では、なぜ、女性の未婚率が高いのか。長崎市の特殊事情とは何か。通常、女性の未婚率が高いのは、女性の自立が進み、キャリア志向の女性が増えることなどが考えられる。有史以来、平和な時代になればなるほど女性の社会進出が進み、女性の活躍が目立つという。平安時代紫式部に代表される女流作家が大活躍した。この頃は平和であり、女性の社会進出、活躍が著しく、この頃も出生率が下がったという。都会の方が出生率が低くなりそうなものである。しかし、江戸川区をはじめ東京の女性の出生率は高い。長崎市の場合、単に男性の働く場所がなく、男女の人口バランスが大きく崩れているということだ。だとすると子育て支援も必要だが、婚活支援も必要なようだ。

 長崎市は、そのような原因分析の下に、子育て支援事業に力を入れていた。子育て支援センターを公設民営で行っており、経費を削減しながら、空いている箱物を利用し、地域ごとに支援センターを運営しており、工夫のあとが見られる。東松山市子育て支援センターも非常に利用率が高く、市民に利用されており、良いとは思うが、市内に一箇所しかないこと、新設のためイニシャルコストが高くついたことで、各地域ごとに展開するということが困難なことなど問題がある。

 設立前の審議会の段階では空き箱を利用する、利用料金をとらないなど、市民からの意見が出されていた。にもかかわらず新設で建設した。おそらく日本全国でも有数の施設であろう。他の市では、空き箱を利用したり、複合施設であることが多い。上越市が先進的だ。上越市では潰れた大型ショッピングセンターを利用し、しかも複合施設として運営されている。私は議員になる前に一人で視察に行き、議員になってから、そのような提案をしたが、最初から建物自体を建てたい様子であった。利用率が高く、市民に大変喜ばれているようなので、それはそれで良いのかも。

 視察のあと、グラバー庭園に行った。そこで竜馬と記念撮影。竜馬伝にあやかり、どこも貪欲に商売していた。亀山社中と、主演の福山雅治の出身地であり、宣伝しない手はないだろう。

 長崎の次の日は佐賀県唐津市に市民協働事業について視察。これは、画期的だった。市民協働はどこでもでもやっているが、約300事業のリストをつくり、その事業について市民ボランティアにやってもらおうというものである。NPOを立ち上げ、いずれ事業化することを目標にする。これは本来のNPOの考えかたにもマッチする。市場化テストが導入されるはずであったが一向に進まない。市場化テストは行政の仕事を民間との競争でどちらが安くできるか競わせるものだが、これをいきなり導入するのは無理がある。唐津市は市民協働テストという言葉をつかっていたが、これはおそらく、市場化テストからヒントを得たものだと思う。そのことを質問してみたが、そうでもないという答えであった。しかし、いずれにしろ、このようなことをやらなければならない背景は、財政上の問題から来ていることはまちがいない。合併により市の面積が広くなり、それを維持する管理費も大変だ。公園管理や植栽の管理も市民に手伝ってもらわざるを得ないというのが本音のところだろう。財政力指数も非常に悪い状態であった。

 次の日は福岡県大野城市。この模様は、また、明日。