指導教授の礒崎先生。都市計画論の授業風景。


大学院に週四日通っている。今日は、指導教授の礒崎先生、比較公共政策論の工藤先生、行政手続法制の出口先生。中央大学が誇る、一流の教師陣だ。

 議員の仕事は、勉強し、それを議会活動に発揮することだと、私は考えている。国会議員であれば、いろいろな場所で勉強できる。それこそ、自民党経世会は朝から晩まで勉強していたと聞く。

 ところが地方議員は、そのような場所がない。全国的な研修もあり、何度か行かせていただいた。ただ、体系的に学ぶには多少物足りない。

 役所の職員も勉強しているが、職員に議員が聞いてばかりいると、それが本当に正しいのか判断できなくなる。職員の言っていることが正しいのかどうか、大学の先生に聞くほかはない。私は、会派に属さず、自分の判断で反対、賛成を決めてきた。全てを賛成するのであれば、自分なりの判断基準を持つ必要はない。しかし、一つ一つの議案について検討し、判断するには自分なりの基準が必要である。そのためには、大学院まで行く必要がある。大学院でなくても良いが、大学の先生に教えていただく機会が必要である。

 私の一応の判断基準は、議案が憲法に反しないこと(ということは憲法も熟知していなければならない)、市民の利益に反しないこと、自分の良心に反しないこと、の三点である。

 さらに具体的には、目的が明確であること、目的と手段が合理的関連性があること、手段が最小経費最大効果であること、の三点について見る。

 議案に反対する場合、たいてい目的が不明確である。市の土地取得、交換が三議案あった。いずれも、私は反対した。取得目的がはっきりしないからである。議案質疑で、土地取得の目的を質問した。まったく答弁できなかった。取得後、土地を取得したから箱物をつくります、そのような本末転倒なことばかりしている。その箱物も、私だけが反対し、今のところ、凍結している。市民の皆様は知らないと思う。

 議案審議の際は、目的についてしっかりと聞かなければならない。その時点で不明確、答弁ができないのであれば、めちゃくちゃな可能性がある。

 礒崎先生の前期の政策法務論でも同じようなことを習った。自分の判断基準に自信を持った。私は常に、そのような思考バターンを持っている。

 工藤先生の授業も全国から、公共経営について、いろいろなゲストスピーカーが招聘され、先進地の政策を東京に居ながら学べる。非常に有益である。

 出口先生の行政手続法制については、初めて出席したが、実務、理論ともに勉強になった。私が、疑問に思っていたことが、三点ほど解決した。これは、市の職員に聞いてもわからない、また間違って、というよりめちゃくちゃなことをやっていることで、当初から疑問に思っていたが、誰に聞いてもわからなかったことである。
 今度、職員に聞いてみようと思う。やはり、知らないと話にならない。法令順守、コンプライアンスというが、法律を知らないで法令順守も何もないだろう。

 法律による行政が大原則だ。悪しき慣習で市政が行われては困る。業者から、見積もりをとってそのまま、予定価格にしたり、これなどは、まさに悪しき慣習である。誰も疑問に思わなかったのであろうか。

 法令遵守法令遵守と掛け声をかけても、掛け声をかけているほうが法律を知らないのでは、始まらない。職員の研修を徹底すること、法科大学院、公共政策研究科の卒業生を採用するなどの戦略的な職員採用が必要である。 

 というわけで以前より、市民の皆様の声を直接聞く機会がすくなくなっている。後期は土日、木曜日は大学院に行かないので、市民の皆様の声を聞きに歩きたいと思っている。